New York

2008年3月17日 (月)

フリックコレクションのフェルメール

フリックコレクションはメトロポリタン美術館から歩いていける距離にあります。フェルメールだけ、を目指した場合には9:30のメトロポリタン美術館開場で入り、11:00にはフリックに行って午前中にじっくりと鑑賞を終えることが出来ます。ランチの会議にも間に合います。

USスチールを立ち上げて巨万の富を築いたヘンリー・フリック氏の邸宅がそのまま美術館になっています。個人の自宅としてはとても広いのですが、美術館としてみるとここぢんまりとしてちょうど良い。それに落ち着きます。

Ny223

ここには3点のフェルメールがあります。

「兵士と笑う女」「稽古の中断」「女と召使い」

Ny224

入館して「フェルメールはどこ?」と館員の男性に聞いたらすぐに教えてくれました。そして「I have a question. Just a curiosity.」と質問をしたい、と言うのです。その質問とは「なんで日本人やアジア人はフェルメールが好きなのか?みんなに同じ事を聞かれる。」

う~ん、これは困りましたね。他の国の人がどう思っているかなんて分かりません。

一つの答えは朽木氏の「フェルメール全点踏破の旅」に出ています。それは...

「フェルメールの絵の大部分は宗教画ではない。(中略)手紙を読んだり、人と話したりという、室内での日常的な風景を描いた彼の絵の世界は、私たちが現在暮らしている世界とあまり離れていないように感じられ、親近感と同時に時間的なギャップを超えた普遍的な美を感じることが出来る。(以下略)」

日本人の宗教的価値観と欧米人画家が描く価値観には大きな隔たりがあることは事実だと思います。欧米人ならその画家の思いをわりと素直に受け入れられるのでしょが、我々東洋人にはそれが表だって来るとやはり簡単ではない。そこに日常を描いたフェルメールの絵に対する理解のしやすさが我々を以て動かすのではないでしょうか。

一つ一つの絵を写真に納めることは出来ませんでした。上の写真も、館員の男性が話しかけた時に撮ったのですが、彼が「そうそう、ここは写真禁止だよ」と言われるまで気がつきませんでした。画像を消してくれ、とは言わなかったので載せちゃいました。

それぞれの絵はガイドブックとは違った様相でした。以下は美術館で撮った絵ではなくネットから拝借したものです。

Vermeer001

「兵士と笑う女」はこんな明るい様子ではなく、もっと全体が青みがかっています。そして暗めな中で女性の顔が浮き立っています。

Vermeer002

「稽古の中断」も同じ。実物は暗いです。むしろ暗く見える男性が明るく、女性の顔の方が暗く見えました。

Vermeer003

「女と召使い」は他の絵と異なった場所、大広間に展示されています。先の2枚は通路の2階からの階段の突き当たりにあったのです。この絵は比較的大きく、テーブルクロスの青と女性の黄色の衣装が明るくコントラストを出しています。

中庭には室内の池があり、静かで落ち着ける場所です。今回は時間がなかったのでフェルメールだけの鑑賞でしたが、ターナーやベラスケス、グレコなど素晴らしいコレクションがあります。

http://www.frick.org/

| | コメント (0)

2008年3月16日 (日)

ブーレー(Bouley)

Ny228

ハンドルがブーレだったし、以前からいつも予約が取れなかったブーレーです。
一時はシェフのデイビット・ブーレーがニューヨークですごく話題になり、数ヶ月先まで予約が取れなかったらしいですね。一度店をたたんでから、また再オープンをしました。今回はオーランドから電話をして予約をしてみました。7時に入れようと思ったらなんと5時半か10時半しか空いていないとのこと。それは5時半でしょ、ということでいざ出陣です。


地下鉄のChambers駅から歩いて1分のところにあります。
入り口は重厚なドア、よいしょ、とばかりに開けるとリンゴ、リンゴ、リンゴ!
200個はあるでしょう。甘い香りに包まれながら向かい入れられます。

Ny229

赤い部屋と白い部屋があるようです。赤い部屋に入りましたが照明はスタンドとテーブルはすべてロウソクのみ。同僚の男二人でなんとなく気後れしますが...まぁ我々は客だし。土曜日なので蝶ネクタイをした子供を連れた家族なんかもいて、このカルチャーはうらやましい限り。そういえば少年の頃は何かあると蝶ネクタイをしてベレー帽をかぶっていましたよ。別に高貴な家柄ではなく、みんなそうしていました。

Ny230
まずは何か飲みますか?ということでシャンパンを頼みました。Duval-LeroyのBrut。ここはアメリカ、なみなみと注いでもらい、結局このグラス一杯ですべて対応できました。ちなみに前の晩に行ったバーで頼んだバーボン・ソーダ割りですが、日本で言えば「トリプル」ぐらいの量で、ソーダーがついでみたいで濃すぎて飲めない。たくさん入れてくれるのはありがたいけど、これぞアメリカ。

アペタイザーは「Return From Chanmai(チェンマイからの帰還)」という不思議な名前。理由わかりません。オマールエビかカニか、しっかりとしています。周りは生ハム。割と大味。ちなみに同僚は卵のなんとか...どこに卵あるの?というとこの卵の白身の泡の下にポーチドエッグが沈んでいました。

Ny231 Ny232

メインはカレイです。これも白身の泡にくるまれ、パールオニオンとマイタケが添えてあります。これ、そのまま。どういう事かというと、そのまま魚をグリルしてバターソースでソテーして卵の泡を載せただけ。素材も大味。これがニューヨークの話題を席巻したデイビット・ブーレーの作品ですか?雑誌にもカレイは逸品だと書いてあります。だから頼んだのに。本当?いやはやびっくり、そして興ざめ。

Ny233

ところで隣のテーブルはとても接近していました。キャリアウーマン(死語ですね)が3人で「私のクライアントがロンドンのアップルでどうたらこうたら」話しているのが全部聞こえてしまいます。こっちは日本語だから何言ったって分かりゃしないけど。ちなみにアペリティフは大振りのマティーニ、ワインはシャサーニュ・モンラッシュ200ドルなり、をオーダーされていました。皆様お肉をガツガツ召し上がっていました。さすがニューヨーク。大きな声で盛り上がり、高いワインをド~ン、と行きます。

そういうわけで期待が高かった分そのギャップに戸惑ったのは事実です。その戸惑いを吹き飛ばしたのがなんとデザート。これまでデザートは絶対にパスしていたのですが、前にも書いたようにアルコール控えてから食べるようになった。今日もシャンパン1杯ですからね。

まずは頼んでもいないのにソアベが来ました。甘みはなく酸味のみ。そして頼んだチョコレート・ブリオッシュとアイス。なんか一昨日食べたデザートと似てるなぁ。しかしこのブリオッシュ、すごく旨い!見た目ほど甘くないしチョコが溶ろけていて口の中に広がります。よ~し、これでメインディッシュの不満はチャラだ。

Ny234

そういえばAQUAVITでデザートがこれでもか、と出てきた話をしていたら、なんとまた出てきたではありませんか。頼んでないですよ、もちろん。あまりにタイミングがいいので笑い出したら、サービスの男性が「これで最後だから」と言い残しました。

Ny235

有名店だけに一工夫を期待していましたが、NYってこんなものか、と先入観が出来てしまいまいした。で感じたこと。東京のフランス料理のレベルは極めて高い。NYの話題の店にこれまで何軒が行きましたが、どれも大味です。東京万歳。

http://www.davidbouley.com/

| | コメント (1)

2008年3月15日 (土)

Jewel Bako:和食

名前からは想像できないですが、かなりまっとうな和食の店です。

この写真見てください。

Ny225

私の席から見た奥のカウンター。左側は鏡で私側が映っています。でカウンターに陣取った美女を連れた男性。熱燗のみながら語り合っています。その奥にはワインを飲みながら寿司を食べている人。

場所はイースト・ヴィレッジの静かな一角。
店のデザインはかなり洒落ていてすばらしい。料理はと言えば、ちょっと旨い寿司屋、ってところでしょうか。
寿司は「お好みはありますか?」と聞かれたので「アメリカで獲れた素材中心でお願いします」。ウニはサンタバーバラだそうです。トラウト・サーモンも旨い。

Ny226

日本人比率が少なく、喧噪から離れたところで和食を楽しむにはもってこいですよ。もちろんお店は日本語で問題ありません。次回はカウンターに行きたいと思います。

Ny227

http://nymag.com/listings/restaurant/jewel-bako/

| | コメント (2)

Iidiumでジャズ

とあるヴィレッジのジャズクラブに行ったのですが、あまりに内容がひどくて2曲目で席を立ちました...どうしようかと迷ったあげく、もし入れればと思いホテルの近くのIridiumに出かけました。内容はハービーハンコック・プロジェクトというわけで、彼が監修(?)している演奏家のプロジェクトでハンコックの作品を演奏するというものです。

幸い予約なしでしたが、30分前に着いたために難なく入れました。

Ny221

ハンコック本人がいる訳ではないのですが、結局満席。演奏内容はノリノリで悪くなかったです。トランペットとサックスの掛け合いがもう少しスリリングだったら良かったかな。

ちなみにブルーノートもそうでしたが、写真はフラッシュを使わなければOKです。

ところで同じテーブルにポートランドから来たという男性ともう一人女性が話し込んでいました。「Hi」とお互いの紹介をしたところ、女性はスウェーデンから来ているとのこと。二人も初めて会ったみたいです。

終わってからその女性に音楽はやってるのですか?と聞くと「私はボーカルで、教えてもいるの。」との回答。そして「日本でもCDが発売されているはずよ。」と言うではありませんか。せっかくなので名前を書いてもらいました。

「Emma Larsson」です。HPもありました。http://www.emma-larsson.com/

タワーレコードでも評価されていました。http://www.towerrecords.co.jp/sitemap/CSfCardMain.jsp?GOODS_NO=1628358&GOODS_SORT_CD=101

ブログでコメントしている人もいます。 http://www.emma-larsson.com/

せっかくなので写真撮らせてもらいました。

Ny222

| | コメント (0)

2008年3月14日 (金)

AQUAVITのランチ

tランチをMoMa(近代美術館)のレストランで取ろうと思って出かけたのですが、満席で30分待ち。そこで1月に行って感激したAQUAVITですが、入り口にカジュアルなスペースがあるのを思い出しました。http://bourree.cocolog-nifty.com/cavatina/2008/01/aquavit.html

軽いランチを食べたかったので行ってみました。

Ny217

メニューはカフェ風で軽いものがメインです。

Ny218

シュリンプとパン、というからサンドイッチかと思ったらごらんのような代物でした。

Ny219

旨いですよ。軽めのランチには最適。デザートですが、パンケーキを頼みました。ディナーでは二ひねりぐらいしていたのでちょっと変わっていることを想定したのですが...

Ny220

う~ん、ただのパンケーキでした。これだけで食事になりますね...

| | コメント (0)

2008年3月13日 (木)

メトロポリタン美術館のフェルメール4

Ny214

最後は「信仰の寓意」。

私の写真がへたくそでうまく映っていないのはご容赦。実際この絵はフェルメールにしては大きくて(114.3x88.9)、上の部分が天井からのライトを反射してしまいます。美術館なのだらからそこを考慮して欲しいものです。

宗教色や寓意をほとんど書き込まなかったフェルメール(先の眠る女で男性を消し込んだりして)ですが、この絵だけは別格です。どこを見ても宗教とそれを表す寓意に充ち満ちています。この絵の持ち主だったのは先の富豪アルトマンのデパートでの共同経営者のフリードサム。古き良きアメリカの大富豪たちです。
絵の解釈は素人の私には無理なので小林頼子「フェルメール論」を読んでみてください。といっても私もまだ読んでいませんが(笑)。

Ny215

さてこの「石が蛇を潰している」という部分があります。柔らかい光の魔術師フェルメールとは思えないグロテスクさ。
石はキリストを表しているのだそうです。

午前中の少しの時間でフェルメール鑑賞に集中したので、他の絵を鑑賞する時間はありませんでした。でもそれはそれで良いと思います。次はどのテーマで訪れるか、を考える楽しさもありますから。

ということで駆け足のメトロポリタン美術館でした。

最後の写真はこの美術館に寄贈をして貢献をした人のパネルです。たくさんの人が私財をなげうって市民に公開をしてくれました。かなりの人はビジネスで富を築いた方達なので、「恩返し」の意味もあるのでしょうね。懐が広いです。

Ny216

| | コメント (0)

2008年3月12日 (水)

メトロポリタン美術館のフェルメール3

Ny212

「眠る女」は別の部屋にあります。最後に手に入れたアメリカの富豪ベンジャミン・アルトマンがメトロポリタン美術館に寄贈する条件として「自分のコレクションを貸し出さない」と言い残したそうです。したがってこの絵は一角が閉鎖されない限り必ず鑑賞することが出来ます。部屋が違うのはおそらくアルトマン・コレクションを集めて展示しているからでしょう。

この女性は酔って眠ってると解釈されています。根拠は下にあります。左下の部分が焦げ茶色になっていますね。よく見ると下のテーブルクロスが透けて見えます。これはガラスなのです。左下にかけて細くなっているでしょ。これはワインのデキャンタなのです。

Ny213

つまりワインを飲み干して酔いつぶれているわけ。左上に絵が掛かっていますね。キューピットの足跡だと思われます。そして仮面が転がっているのです。キューピットは当時、愛の象徴。そして仮面は不誠実。それを掛け合わせると「失恋して酔いつぶれている女性」という解釈です。

更に奥の部屋には男性、ドアには犬が描かれていたことがX線写真で分かっています。朽木氏によると、それによってこの絵はとても曖昧になった、と説明しています。男性が描かれているとたとえば次の解釈が成り立ちます。
1 その男性に失恋した
2 ドアには鍵がぶら下がっており、酔って眠ると人が来たときに不用心だと、という教訓

しかし敢えて消し去ることによりその意味が分からなくなり、むしろ見る我々側にその解釈を押しつけたことになるわけです。

| | コメント (0)

2008年3月11日 (火)

メトロポリタン美術館のフェルメール2

先の2つの絵の間にあるのが「少女」。

Ny210

この絵はトローニー、つまり肖像画(特定の人物)ではなく不特定の人物と言われています。真珠の耳飾りの少女(青いターバンの少女)も映画では召使いがモデルと言われていますが、最近の研究ではトローニーというのが主流だそうです。他のサイトから絵を拝借して並べてみましょう。

Ny211

朽木氏の解説によると「個性的だが現実を生きる人間の臭みといったものがほとんど感じられない」ということで、架空の人物を想定した習作と考えられています。確かにどちらも美しく偶像化されていますね。美しいものは美しい!でいいじゃないかと思います。

ちなみにこの2枚は対ではないかと考えられていて、これまで現代では1982年にメトロポリタン美術館で1度だけ並べて鑑賞をしたそうです。しかし!それは閉館後の関係者のみだった、ということ。なんと惜しい。

| | コメント (0)

2008年3月10日 (月)

メトロポリタン美術館のフェルメール1

         Ny205

今回はオープンしていました、オランダ絵画。本を何度も読み返していたのでフェルメールの絵に出会うのが待ち遠しかった。ひっそりと待ってくれていました。

Ny206

「窓辺で水差しを持つ女」は繊細で美しい。たとえばここ。

Ny207

このテーブルクロスが水盆に映っている様はどうですか。「う~ん」としか声が出ない。

Ny208

この窓辺からの光りがシルクを透して少女の頭を写し込む柔らかさ。胸のあたりは下の生地が透けて見えて穏やかなイメージを与えます。この作品を描いた時代がフェルメールの絶頂期と言われています。ある意味「柔らかな光の魔術師」ですね。

次の「リュートを調弦する女」も全く同時期に描かれた傑作です。

Ny209

残念ながら保存状態が悪かったらしく、近くで見ると繊細さが分かりにくい。でも少し離れてみると優しい光りに浮かび上がる黄色い衣服の少女が物憂げに浮かび上がっています。

| | コメント (0)

2008年3月 9日 (日)

ALTO:イタリアン

NYでは日中の打ち合わせがあるだけで比較的時間に余裕があります。オーランドから着いた日は午後の5時半で、すでにオーランドから電話でALTOに予約を入れてありました。飛行機が遅れることが予想されるため、念のため8時。実際同じオーランドから別ルートき来た同僚は1時間飛行機が遅れました....でもなんとか5名でディナーをすることは出来ました。

       Ny199

ここはイタリアンのお勧めのレストランです。2005年の春にオープンし、ZAGADTでも高い評価を得ています。

基本はアペタイザー、パスタ、メインの順番でオーダーですが、日本人はアンティパストともう一品で充分ではないでしょうか。

Ny200

まずはマグロとオニオンとハーブ。赤身のマグロです。ワインはリーズナブルなイタリアのシャルドネにしました。マグロもそれほど脂が乗っていないのでとりあえずOKです。

Ny201

私はメインをパスタにしました。これはイカスミのパスタのペペロンチーノです。イカとガーリックが和えてあり、さっぱりと食べられますが、噛みしめるほどにイカの濃厚さが口に広がります。

Ny202

赤ワインはナパのSt. Helenaから「PHILIP TOGNI 2001」のカベルネです。まだ多少堅さがあったのですが、30分後に見事に開きました。カシスにブラックベリー。http://www.philiptognivineyard.com/main.html

Ny203

ちなみに同僚頼んだのお肉のラビオリ。濃厚さが伝わりますね。

                            Ny204

デザートはチョコレート・タルトとジェラード・チョコチップ。アルコールを控えている間に甘党になってしまいました...今日もワインはグラス一杯だけだったからいいか。

アメリカのイタリア料理というのは私にとって「食べたくない」料理のひとつでした。というのもパスタはいつも茹ですぎでボソボソ。さすがに高級イタリアンならそういうことはないだろう、と「賭け」でしたが、結果は大正解。サービスレベルも高く、同僚も皆一様に満足げでした。

ALTO : http://www.altorestaurant.com/index.php

| | コメント (0)

より以前の記事一覧