書籍・雑誌

2018年1月 2日 (火)

2017年に読んだ本について

2017年読んだ本について

 

目標の100冊には及ばず78冊でした。

理由は簡単。通勤がないから、読む時間はほぼ自宅で寝る前に集中。寝る前はストレスフリーにしたいのでビジネス書や自己啓発はあまり読まず自然と小説が中心になってきます。おかげで小説はかなり読めた。

車移動が多かったのでAudibleが大活躍。これ、スマホのアプリで朗読をダウンロードして聞けるんですが、相当ボリュームがあります。今回も「読書」とはしていますが、実際には聞いたものも含まれます。

 

さて4星以上をリストします。ちなみに読んだのが2017年であって古い本も含まれます。(※は星5つ)

小説

<恋歌> 浅井まかて著(※)

読み始めはあまり期待していなかった。歌人をテーマにした明治時代の小説と感じたから。 ところが時代が江戸末期の水戸藩に飛んだ瞬間、惹きつけられた。

そして起こる藩内の対立。その犠牲になる女たち。グイグイ引き込まれて最後に驚きの事実。 そんなことが実際に水戸藩で起こっていたことは事実なのでしょうけど、明治時代への国の混乱の中に一般の人は知らないことなのでしょう。


<この胸に深々と突き刺さる矢を抜け> 白石一文著(※)

こんな小説初めて。主人公の内面を中心に物語が展開する。

頭の中で様々な思いや考えが文字として記録されているような。

ストーリー自体はよくある小説なのだろけど、人間の思考ってこんな感じ、と自分でも思う。 経済の話や哲学に脱線をするが、それも人の思考の中にあることだと思うし、(知っていることもあるが)これはかなり勉強にもなる。 自分を取り囲む人々との関係、自分の(おそらく)未来との邂逅。ガンになったからこそ見えてくるもの。

<メガバンク絶体絶命> 波多野聖著

メガバンク最終決戦がかなり面白かったのでこちらも購入。

ある程度の金融知識があった方が楽しめる内容。

こういう緊迫したビジネスの話はビジネスから離れた今、リアルに面白い。

<悪魔の封印―眠る株券> 波多野聖著(※)

古い株券の謎...

現代ビジネスとビジネスが日本で立ち上がった時代の話が交錯して面白い。

「銭の戦争」と「メガバンク」シリーズをそのまま自で行った内容。そこにスイスの銀行が絡まって一層面白く仕上がっている。

<天使の囀り> 貴志祐介著

奇妙で気持ち悪くて恐ろしい。 けど前に進まないと気が済まない、という内容。

腐ったり、溶けたりするのが嫌な人は読まないでください(笑)。 地球上の全ての生き物を動かしているのは遺伝子でありDNAだ、とわかっているけど、こんなにはなって欲しくない。

<いつか陽のあたる場所で> 乃南アサ著

音道貴子シリーズをほぼ読んでしまったので新しいものを。

人に話せない過去をもつ二人。 表に出られない理由があり、ひっそりと生きている。 小さい街に起こる様々な人間模様。 いつまでもこの世界にいたいと思う。

<ラスト ラン> 角野栄子著

あまり期待してなかったけど引き込まれた。

70歳にしてバイクでどこでも行ける。そして邂逅する過去の少女。一緒に旅行をすることで自分の過去に向き合い..。途中ちょっと鳥肌立ちました。(ちょっと怖い…意外..かな)

<終わった人> 内館牧子著

いやぁハマった。まさに年齢的に自分が近づいている。その気持ちがよくわかる。 若い女に恋をしたり、大学受験にチャレンジしようとしたり、悪あがきをしながらだんだんあるべき形に近く。 そしてITビジネスのチャンスに乗り...

自分の仮想未来みたいで笑いながら楽しめました。 さすが内館さん

<佃島ふたり書房> 出久根達郎著

佃島の話、というのに惹かれて読み始めた。

古本屋の歴史。 あまり期待していなかったに、気がついたら引き込まれていた。

過去の出来事から今に到るまでの佃島を中心とした素敵な話です。

<鋼鉄の叫び> 鈴木光司著

特攻隊にまつわる物語。その物語自体は素晴らしい。おそらくかなりの取材をしたのでしょう。 話したくない人たちもたくさんいたことはこの小説を読んでいてもわかる。

そして驚く邂逅と事実に行き当たる。 そこに不倫となる恋愛が意味もなく絡まっているところがどうかな、と思ったけど。

<福音の少年> あさのあつこ著

焼死した女子に関わる謎、という形で冒頭が始まる。そもそもこの立ち上がり自体がよくわからない。登場人物の位置づけ自体が謎。 そして過去に戻ると本来のストーリーが始まる。 単純な高校生のラブストーリーかと思ったら...

そして最後に先ほどの謎の部分に戻り、ストーリーが完結する。

<草花たちの静かな誓い> 宮本輝著

私の好きな宮本輝ですが、今回は西海岸。

たまたま英語が話せる主人公にアメリカで財産が相続される、という設定。そして亡くなった叔母の娘を探す。 ちょっとした推理小説みたいな展開だけど、そうでもない。

アメリカ社会にある、日本ではあまり考えられない問題を題材にして考えさせる。

今回のこだわりは「スープ」でした。そのスープをもっと掘り下げてもらえるとよかったなぁ、と個人的には思います。

<火花> 又吉直樹著

ごめんなさい、全然期待していなかった。

オーディオブックにて「読んだ」からかな。 堤真一がナレーション。これが(本を読んでないのでなんともわからないけど)大当たりだと思う。

怒りの部分なんかとても迫力があり。 内容も堤真一の語りでよくイメージが伝わってきた。 芥川賞って、自分の経験というか専門分野あたりでしっかりと描ききれば取れるものか、と関心。

<上と外> 恩田陸著

圧倒的なスケールと発想。

南米のとある国での紛争と地球とういうか人類というか、はるか昔から脈々と続くとある種族。 展開の早さも良いし、意表をつく展開でもあり、読み応えがあった。

<BT’63> 池井戸潤著

これはもしや浅田次郎の「地下鉄に乗って」ではないか、と思ってしまった。

池井戸さんのいつもの金融でもなく、びっくりするようなどんでん返しでもなく、切ない過去を巡る旅のような内容。

あまりにも切ないままに終わってしまうのが寂しい。 しかし昔はあんなに簡単に人を殺せたのか?と感じてしまったのは私だけですかね。 とにかく面白いことは間違いないけど期待とは少し違いました。

<神の涙> 馳星周著

原発問題とアイヌを題材にした作品。

馳星周のグイグイ引き込み、間髪を与えないタイプの小説とは全く違う、ゆったりとした自然の中での文体。 きればアイヌについてより踏み込んでもらえればもっと興味を持って読めたと思う。

<イモータル> 萩耿介著

インドが題材だった、というそれだけで手に取った。

しかし中身は哲学書ではないか? インド+哲学+謎  という3つの要素をうまく描ききっている。 哲学に関しては素人には難解なのが課題です。 最後は割と展開がわかってしまうところもあるけど秀作です。

<暗手> 馳星周著

今年、馳星周を何冊か読むことになったのはこの作品のためです。

以前、台湾野球の八百長を題材にした作品が面白かったが、今回はイタリアサッカーの八百長。

日本のサッカー界にはない(と信じている)が、ヨーロッパの大きなリーグ以外は「あるんじゃないか?」と思わせる内容。しかも日本人をターゲットにしたため、日本人でヨーロッパに渡ったサッカー選手の日常やら、悩みやらを赤裸々に記述されており秀作だった。

<復活祭> 馳星周著

2017年6月に文庫化されたからか、突然書店で目について買ってしまった。

馳星周は1年に1回ぐらい無性に読みたくなる作家。めんど臭いことは忘れて、とりあえず小説のスピード感に身をゆだねたくなる時だ。

本書は前編(生誕祭)があるが、こちらは読んでいなかった。ITと金融という組み合わせで前作はバブルで本作はITバブル。

思った通り展開が早くどんどんと進展する。主人公達が罠にはまりながら苦悩して打開策を考え、また潰される。 最後に誰が勝ったのかわからないぐらい完膚無きまで打ちのめされる。 これぞ馳星周。

<天子蒙塵> 浅田次郎著

蒼穹の昴は長い読書生活の中でも一番素晴らしいと思ったものの一つだ。そしてここから様々な作品を継続的に執筆している浅田次郎氏。それらは必ず読むことにしている。

溥儀の目で、その妻の目で中国と日本を見る場面が多いが、清皇帝の成れの果ては自分が強い意思を持つことができなくなってしまう構造的な腐敗だろうか。

これまでの作品に出てきたヒーローたちも少し絡みながら、思い出しながら読み進めた。

浅田次郎氏の中国語を少し交えた(正しく理解はできないけど)文体が私は好きです。

<神の手> 久坂部羊著

安楽死問題に正面から取り組んだ意欲ある作品。

日本が(正しい表現でないかもしれないけど)安楽死に関しては後進国。あるいは慎重な国である。 筆者は「破裂」でも安楽死の問題を取り上げており、テレビで見ていたのでこの作品も素直に入り込めた。 あとは政治と医療の闇の部分が小説を面白くしている。

自己啓発、ビジネス、実用

<ミレニアル起業家の 新モノづくり論 > 仲暁子著

駅の書店で買って、ちょっと遠出をした時に一気読み。

ある程度他の知識で知っていたことはあったが、若い起業家としてちゃんと全体をまとめているところが気持ち良い。 そして(たまたま自分も)起業をしたばかりで手探りの中、ある程度の尺度になる情報が満載されていた。「トライブ(共同体)」をテーマに、自分の心地よいトライブを探して発展に繋げるベースとなる考え方。新しいビジネスの発展に期待。

<30日でくせ字がきれいになおる ペン字練習帳> 中塚翠涛著

なんとなく本屋で目にして、いつもの向上心で買ってしまった。普通なら「積ん読」になるわけなんだけれど、今回は早起きして1日2ページ、を真面目に取り組んだ。

なんだか自分の字ではない気がするのだけど、バランスとか跳ね方とか、色々自分の自己流に全く違った形に感動もする。 しかしそのまま書けるようになるわけではなかった。

でも集中して朝に15分、字を書くこの良さは感じました。

<万年筆で極める美文字> 青山浩之著

美文字に続いて購入。伊東屋に2回通って自分に合った万年筆を購入した。

万年筆って力の入れ具合にこだわれる、ということに気がついた。

これも朝の集中に良かった。

<SPRINT 最速仕事術――あらゆる仕事がうまくいく最も合理的な方法> ジェイク・ナップ著

1週間(5日)でビジネスを立ち上げる。ちょっとした工夫とメンバーの人選で実際にできる。

本書を読んでいるとビジネスを立ち上げる勇気が湧いてくる。西海岸らしく、マックとiPadを前提としたプロトタイプの話も納得だ。

一つ課題があるとすれば、ベンチャーの場合人選が難しい。そして外部の人を5日間拘束することができるのか?でもフレームワークは間違いないです。

 

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2017年1月 5日 (木)

2016年に読んだ本について

2016年の読書は111冊。一昨年の34冊とは大違い。何が違うか、根本的なところはわかりません。全国リーグに行くので移動が増えた、読みかけの本がたくさんあって一気に処理した、Audibleの読み放題(実は聴き放題)に加入して車で読んだ(聴いた)、がありました。

その中で星4つ以上をつけた本を紹介します。ちなみに発売が新しいとは限りませんので。
(※は星5つ)
<小説>
「オールドテロリスト」 村上龍著(※)
「陸王」 池井戸潤著(※)
「革命前夜」 須賀しのぶ著(※)
「海峡」 伊集院静著
「硝子のハンマー」 貴志祐介著
「サラバ」 西加奈子著
「凍える牙」  乃南アサ著
「黒い家」 貴志祐介著
「握る男」 原宏一著
「当確師」 真山仁著
「ギャラリスト」 里見蘭著
「海王伝」 白石一郎著
「眩」 朝井まかて著
「長流の畔」 宮本輝著
「ガラパゴス」 相場英雄著
「64」 横山秀夫著
「国境事変」 誉田哲也著
「カクテルパーティー」 大城立裕著
小説はやはり読書量が多いので。
「オールドテロリスト」は題名から期待していなかったのに、村上龍ワールドにハマってしまった。
「革命前夜」はクラシック音楽が好きでないとちょっと難しいと思う。東ドイツの演奏家の話が多いので。でも知られざる国。
貴志祐介はホラー的イメージがあったので避けて来たけど今年は一気にハマってしまった。ほぼAudibleで車内で聴いた。
車好きは「ガラパゴス」を推薦します。ちょっと古いネタですが、ハイブリッドの話です。
絵画が好きなら「ギャラリスト」「眩」かな。
誉田哲也はついに「破門」が映画化されますが、その前章的な内容。北朝鮮に西日本のヤクザが行って大暴れするので破天荒。掛け値無しに面白い。
「凍える牙」ではあまり日本では見かけないカナダの犬が登場します。ゾクゾクします。
<自己啓発、ビジネス、実用>
「Moonshot!」 ジョン・スカリー著(※)
「サッカーおくの細道」 宇都宮徹壱著
「シリコンバレー式自分を変える最強の食事」 デイヴ・アスプリー著
「ジョコビッチの生まれ変わる食事」 ノバク・ジョコビッチ著
「ドルを買え」 藤巻健二著
昨年は「Moonshot!」に限る、という気がしまた。スティーブ・ジョブズ ファンには悪役のジョン・スカリーですが、やはりペプシで成功して、アップルをそれなりにまとめて来た力が現在のビジネスコンサルタントとして集大成されている。
Moonshot=月に人類を送る ー> ほどのビッグビジネスを立ち上げろ! というメッセージなんです。キーは「IT」とあなたの得意なビジネスを融合させる。触発されました。
宇都宮徹壱さんには取材を受けています。「サッカーおくの細道」にはちゃんと私の話が出てくる。なので推薦します!
食事系は私の減量が成功した理論なので高い評価にしました。簡単に書くと、「小麦を減らして適切な油分を増やし、管理する」ことですね。ジョコビッチは日本でこの本が発売されてから1位を取れなくなったのでちょっと残念です。でも彼はこれでのし上がって来たんですよ。
藤巻さんはとにかく国債の問題で 「暴落ー>ハイパーインフレ」 の構造をずっと指摘しています。で円の価値が下がる、という考え方。5年のレンジで考えると本当にそうなるかもしれませんよぉ...。怖いです。

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2015年1月 8日 (木)

2014年の読書

2014年は120冊読破の目標を立てながら全く届かず、94冊に留まった。11月より電車通勤がなくなり、最後の追い込みができなかったこと、週末に肉体的に疲れてしまったためか、電車の中で寝こむことが多かったからかな、と思う。

<ビジネス・テクノロジー>

システム×デザイン思考で世界を変える 慶應SDM「イノベーションのつくり方」

ストーリーで学ぶ 営業の極意: 1時間でわかる成功のポイント:松丘 啓司

<自己啓発>

乱読のセレンディピティー:外山滋比古

アドラー心理学入門:岸見一郎

『世界のエリートはなぜ、「この基本」を大事にするのか?』:戸塚隆将

イノベーション・オブ・ライフ :クレイトン・M・クリステンセン

<小説・ノンフィクション>

満月の道: 流転の海 第七部:宮本輝

#9(ナンバーナイン):原田マハ

漂砂のうたう:木内昇

ワイルド・ソウル:垣根涼介

蜩ノ記 :葉室麟

know :野崎まど

ジェノサイド:高野和明

叫びと祈り:梓崎優

チーム :堂場瞬一

小説が全体の8割ぐらい読んだと思う。結果的にビジネス書は少なかった。

しかしその中、「システム×デザイン思考で世界を変える...」は素晴らしまとめかたをされていた。ちょうど日本を代表する某大企業への大きな提案書を作成するリーダーに任命され、簡単には勝てないので決死の覚悟で思い切ったイノベーティブな提案を模索している時だった。イノベーションとは?という問いかけをしながらの仕事だったが、本書やここからリンクされているインターネット情報がまとめかたにとても役立った。

小説では原田マハをかなり読んだ。昨年読んだ「楽園のカンバス」があまりに素晴らしかったので、同じ絵画を題材にした「#9」をアマゾンからオーダー。その際にアマゾンさんのリコメンデーションにしてやられた(?)感じでまとめて購入をした。どれも秀作だがやはり若い女性向きは否めない。しかし#9は骨太だった。

「イノベーション・オブ・ライフ」では仕事だけで生きるのではないことに改めて気付きがあったし、「世界のエリート...」ではコンサルタントとして当たり前の基本を忘れている自分に気がついた。

今年も「乱読のセレンディピティー」をしたいと思う。

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2014年1月 4日 (土)

2013年の読書

2013年は公約通りの115冊を読めた。実際はもっと読んでいるがブクログに感想を載せていないので115冊に合わせた。

Kindleなど電子書籍が25冊。およそ20%となった。
Kindleで買うのはパターンがあり、だいたい月間のセールで気になったものを購入しておく。そして読みたいときに読む。主に朝の通勤時間。ビジネス書や自己啓発が多いが、たまに小説も読む。数にカウントはしていないけど、料理本、ガイドブック、漫画はiPadでカラーで読むのがよろしい。
さて2013年に読んだベストを紹介しよう。あくまで読んだベストなので出版が古いものもあるのご了承。
順番は自分の記憶に残ったものからです。
<ビジネス・テクノロジー>
凄い宇宙講義:多田将
投資で一番大切な20の教え:ハワード・マークス
<自己啓発>
スタンフォードの自分を変える教室:ケリー・マクゴニガル
人を動かす、新たな3原則:ダニエル・ピンク
<小説・ノンフィクション>
交響曲第1番:佐村河内守
楽園のカンバス:原田マハ
黙示録:池上永一
松本山雅物語:倉田ひさし
今年はボリュームを読んだだけにそれなりの内容のものに当たった。
中でも佐村河内氏の苦悩が衝撃的だった交響曲第1番。自分が健康であることに感謝をすると同時に、これほどのハンディキャプを抱えた人が成し遂げているのに、何もなし得てない自分への戒めになった。
アメリカ人の書いた2冊の自己啓発本は視点も良いし、新鮮だった。「自分」と「人」という180度地違った側面から学ぶ事も多かった。ただどちらもある程度アメリカカルチャーの中での啓発であり、日本社会では多少のカスタマイズが必要であることは否めない。
「楽園のカンバス」も「写楽閉じた国の幻」も画家を題材とした小説。西洋と東洋の画家の秘密と裏側に迫る。絵だけを見ていても分からないその背景など楽しめる。

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2013年1月 6日 (日)

2012年の読書

110冊を読んだ2012年でした。100冊越えをすると様々な知識が最初はカオスに、しかし時間が経つと何かしらの結びつきが起こったり、また誰かとの会話で思い出したりと話題にはこと欠かなくなってきます。

さて2012年に読んだ(出版された年ではなく私が読んだ)なかでのベストを書かせていただきます。それぞれ3冊を選びました。ジャンルはもっとあっても良いと思うのですが、たとえばあまり芸術系を扱った書籍を読まなかったなぁ。

<ビジネス>
ワークシフト:
 ビジネスに活かす提案がぎっしり。しかし自分的には自己啓発的な要素もあったかも。会社で働く事がすべてではなく、様々な選択肢や区切りについて考えてしまいました。

ゴルフ週刊誌のFacebookが日本一になった理由:
  Facebookを使っている自分ですが、ここまで考えてはいなかった。自分的にはサッカークラブのFBを立ち上げたのでとっても参考になりました。

失敗の本質―日本軍の組織論的研究:
 ビジネスじゃないかもしれないけど、日本の企業が陥っている状況とあまりに似ているのでビジネス書としてもお勧めです。日本を代表する世界企業も本質にある課題が同じような気がするのです。

<自己啓発>

2022―これから10年、活躍できる人の条件 :
 東日本大震災が起こり(著者は更に癌にかかり)日本人としての生き方について考えさせられた。ワークシフトと似た要素がある。自分は10年後にどうなっていたいか、いるべきか、を考えるきっかけになります。

自己革新 [新訳]――成長しつづけるための考え方:
 あまりに示唆に富む要素がぎっしり。正直一回読んだだけでは自分のものにならないぐらいの充実さ。

たった一度の人生を記録しなさい 自分を整理・再発見するライフログ入門:
 面白いテーマだと思った。早速iPhoneからどんどんEvernoteに放り込みはじめた。確かに自分の備忘録だけではなく、あの時何をしていたか、と思い出せる。

<小説>
永遠の0 (百田尚樹)
百年法(山田宗樹)
水のかたち (宮本輝)

小説はあえて解説しませんが、どれも肉厚です。

すべて感想はBooklogに載せてありますので参考にしてください。

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2009年2月23日 (月)

沢木耕太郎「凍」

Book062

沢木 耕太朗 著

書店で見かけ、クライマーの小説だと思い購入。しかしこれはドキュメンタリーだった。そんな経験ありませんか?

まず読み始めてドキュメンタリーということに気がついたのだけど、止まらなくなった。山野井夫妻がギャチュン・カン北壁へのチャレンジをした全てがここに描かれている。

当初誰も登頂をしていなかった北東壁を目指したが断念。急遽北壁に切り替えた。酸素ボンベを持たない単独でのアルパインスタイル。

上りは厳しい天気にたたられ、途中、妙子夫人は断念する。そして泰史氏の単独登頂に成功。

ドラマはここから始まる。暗い時間帯での上りより、昼間の時間帯のくだりはモチベーションから言っても、下が見えるという恐怖感から言っても、むしろ厳しい。

その上、二人に襲いかかる雪崩。ほとんど垂直の壁でのビバーク。いつまで経ってもベースキャンプにたどり着かない。ほとんど飲まず食わずでの下山。手袋を失い、目は見えなくなり、熾烈な、あまりに過酷な人間としての限界以上の現実。

二人を支えたのは技術と経験であることは言うまでもないが、強靱な精神力と「あきらめ」という言葉を知らない前向きさ、ひたむきさだろう。

人生において、どんな困難に出会おうと、彼らが直面した時のこの体験は我々に勇気と力を与えてくれるに違いない。

その様子は時系列にHPに記載されています。

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2009年2月19日 (木)

ビジネス<勝負脳>

Book061_2 

林 成之 著

「<勝負脳>の鍛え方」の続編か。前作は講談社現代新書で、本作はベスト新書。

全作がベストセラーだったので、これをビジネスに置き換えて他社で出版したのだろうか?基本的な内容はほとんど同じだった。

ただ副題に「脳科学が教えるリーダーの法則」とあるように、リーダーとしての自分や、部下を惹き付ける方法については詳しい。

たとえば以下

・異なる意見や違いを排除せずに有機的に連合させて更に上の目指す
・トップは苦境で過剰反応をしてしまうと部下にダメージを与える
・リーダーは自分の弱点を皆に明確にして解決策を一緒に検討する
・プレイングマネージャーは組織が小さいときには機能するが大きくなると弊害が多い
・リーダーとして素晴らしい力を発揮するためには尊敬され、好かれる自分を鍛える
・夢が語れないリーダーはリーダーたる資格がない
・リーダーはワクワクする雰囲気を作り出すべき
・素晴らしいリーダーの力を発揮するためには異なる世界のネットワークを深く広げる

なぜ「星野ジャパン」は負けたのか。

著者はそのネーミングにあると言い切る。選手は自分のためにがんばるのではなく、リーダーのためにがんばらないとならない、とどうしても感じてしまう。

競泳チームが北京オリンピック前にハードな合宿をした逸話は面白い。通常はハードに訓練をした後、オリンピック本番まで一旦ペースを落とすのだそうだ。しかし脳は楽な状態を好むので、一度ペースを落とすと全力を出せなくなる。

サッカー・ドイツワールドカップを思い出す。日本はドイツとの練習試合で最高のパフォーマンスを出した。我々はこれなら行ける、と確信した。しかし結果は無惨なものだった...。たしか選手はリラックスして本番を迎えたとの話があった。本番まで時間が長かったとも。おそらく脳がリラックスして、戦うためのモードに戻らなかったのだろう。

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2009年2月17日 (火)

成功は洗濯機の中に―P&Gトヨタより強い会社が日本の消費者に学んだこと

Book060

市川 和彦 著

P&Gは数々の革新的な取り組みをしており、世界で最もイノベーティブな企業と受け止められている。題名の「成功は洗濯機の中に」の具体的なストーリーがあるわけではないが、CEOのラフリーが現場主義であり、その現場観察を日本で行ったことが詳細に述べられている。売り場のみならず、顧客訪問を繰り返した。液体洗剤「タイド」でブランドマネージャーとして成功したラフリーは、アジア統括責任者として日本に移り住んだ。そこで日本の化粧品マーケットの幹部達に「化粧品は洗剤とは違う」と対応され、猛然と顧客訪問と観察を繰り返した。そして基本は「消費者はボス」の考え方と同じと認識し、SK-IIの大成功を日本で実現する。

消費者ニーズはデータにあるのではなく、消費者の生活現場にあるのだ。

P&Gの強さはブランドの強さだ。年間10億ドルを売るブランドは23ある。そしてその候補が更に18。約1.3兆円の売り上げの90%は41のメガブランドが占める。一方の花王は数100のブランドに分散している。(本書より) 営業利益率はP&Gが20.2%、花王は半分の9.7%だ。(2006年本書の出版時点の数字と思われる)

つまり新規の顧客を獲得するよりも、既存のロイヤル顧客を維持し、常に目を向けさせることが収益の要となっている。

そのために「360度イノベーション」、「360度マーケティング」を採用している。

360度イノベーションとは、製品のみならず、サービスやアフターフォロー、インターネットの活用など、あらゆる角度でイノベーションを起こす方針である。その最たるものが「アイディアイノベーション」。製品技術のみでイノベーションを起こすのではなく、複数の既存の技術やサービスとの組み合わせで、消費者に斬新なイメージを与えることもイノベーションとなる。

本書にはないが、最近の製品「パンテーンデイタイプリペアエッセンス」は良い例だ。消費者の気づきに、文字通り現場密着し、そのアイディアの延長線上でヒット商品に仕上げた。テクノロジー先導ではない、消費者がボスとなり、日本発のイノベーションとなった。

ケアケアの「h&s」は1960年代の成分とほどんど変わらないにもかかわらず「地肌の保湿」というメッセージで日本での新たなカテゴリーを作り出し成功した。まさにアイディアイノベーションだ。

ラフリーの改革は企業成長を支える以下の4つの強みによる。

①イノベーション能力:社内に固執せずに社外に存在する豊富な知恵や技術を活用

②メガブランドを構築する能力:ブランド構築力を駆使して超大型メガブランドを作る

③企業規模の拡大:新興国の消費者もターゲットとし、従来とは異なるマーケティング

④市場への展開能力:小売店で消費者が選択する瞬間で勝つために小売りチェーンとのパートナーシップ強化

更にラフリーは組織改革をし、ブランド戦略を遂行するグローバル・ビジネス・ユニット(GBU)と地域での市場展開を行うマーケット・デベロップメント・オルガニゼーション(MDO)のマトリックスにした。ブランドは世界統一で、地域展開は地域で迅速に行う。これまではブランド側が強かったために、必ずしも地域で受け入れられるとは限らなかった製品も、MDOに権限を持たせることによって、その地域の消費者に合わせた展開が可能となった。

P&Gの消費者調査は恐ろしいほど徹底している。なんと年間1万件、100万人から調査をしているのだ。更に電話とネットで400万人から調査をしている。その予算は232億円換算(本書の書かれた時期の為替換算)。

オープンイノベーションもP&Gがモデルだ。前CEOのヤーガーが作り上げたコネクト&デベロップを徹底的に展開。社内の技術を公開する代わり、社外の技術もどん欲に取り込んだ。結果的に7500人の社内技術者は150万人の社外技術者とつながったのだ。

その結果、イノベーションのコストを半分にし、投資効率を20%向上させ、R&D投資の割合を4.8%から2.8%に削減。しかしながら1年間に100以上の新製品を市場に出した。

またR&Dの評価も、技術の評価ではなく、如何に早期に市場で成果を出したか、というビジネスの指標で行われることとなった。オープン化し、より市場・消費者に近づいた開発がなされている。

さて日本は何を学べるか。もちろんたくさん学ぶことはある。

1 ブランド力をつける:ブランドの価値とその収益性

2 消費者がボスの考え方:消費の現場にヒントがある

3 技術のみに頼らないイノベーション:機能と技術が素晴らしければ売れる、のではないアイディアイノベーションの活用

4 グローバルな人材:ダイバーシティー(多様性)を受け入れ活かす人材戦術

以上、読み応えのある書だ。

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2009年2月15日 (日)

テンペスト

Book059

池上 永一 著

沖縄のハーフマラソンに行くときに上巻を持って行った。そして下巻も一気に読んでしまった。それほどに面白い。

最初の印象は、「チャングム」と「蒼穹の昴」をうまく取り込んだ小説。朝鮮の王朝と琉球の王朝。清の科挙と琉球の科試。成功をしては陥れられるチャングム。全く同じ展開。科挙と科試の狭き門。それは下巻になると全く異なる独自の展開になる。

琉球が持つ地理的な意義が、そして武器を持つことを許されない民族として発展した知能。科試によって、江戸時代の日本より、高い考察力を持っていたのか。

本書では小説を借りて琉球の他国に振り回された悲しい歴史と、その時代に知能の限りをつくして王府を守ろうとした役人達を美しく描いている。

なによりも随所に書かれている琉球独自の詩がすばらしい。琉球の言葉が充分に理解できないからすんなりとは入らないのだけど、琉球の独自感がある。

日本人にとって沖縄とは美しいリゾート地。第二次世界大戦で唯一地上戦での悲劇を経験し、アメリカに占領された歴史。そんなところか。

しかし本書を読むと、もっと琉球の歴史が知りたくなる。現在は日本でありながら、別な王国であった歴史。独自の文化に言語。

いまでも沖縄に行くと、すぐに仲間に入れてくれる友好な方々は、その地学的な特徴からそれぞれの国と友好関係を結ぶ歴史があったからなのか...。勝手な想像。しかし沖縄の人たちの温かさや優しさには日本にはないおおらかさがあることは間違いない。そんな事を考えさせられる小説であった。

2月にして今年一番、の候補に巡り会った。(出版は昨年だが)

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彼女の知らない彼女

Book058

里見 蘭 著

第20回「日本ファンタジーノベル大賞」受賞作。たしか新聞の書評で読んだのか、ちょうどランニング・トレーニングの真っ最中の1月に購入した。ストーリーは単純。昔からあるテーマのパラレルワールド。特に真新しさはない。

しかしマラソントレーニングを知らない人には、マラソンランナーの苦労を知るのにもってこいだ。

2015年の日本。東京オリンピックの開催で都内は景気がよく、沸いている。怪我をしてオリンピック日本代表選考会でベストで臨めない夏稀。コーチはあるきっかけでパラレルワールドを行き来することが出来る。その先で見つけた夏稀と同じ肉体を持つ夏子。

運動をしたことがない夏子をたった3ヶ月で影武者に仕立て上げて選考会に出場させる。

その際に初心者から一流選手になるまでのトレーニングを一つひとつ説明しながら育て上げていく。LSDは知っていますか?マラソントレーニングで行うLong Slwo Distanceの略。これは私も取り入れたトレーニングだが、なんと毛細血管を鍛えるのだ。その理由も本書で分かる。

今週の日経流通新聞(日経MJ)によると、東京マラソン効果でマラソングッズが売れているそうだ。その流行を引っ張っているのは女性ランナー。

本書のそのブームにのって売れそうな内容だ。なにより平易でランニングの後にくつろぎながら楽しめる。勉強にもなる。女性として感情移入も可能。

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