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2009年7月 1日 (水)

神尾真由子 ヴァイオリンリサイタル6月30日

東京オペラシティーホールでの神尾真由子のヴァイオリンリサイタルに行ってきました。ピアノは佐藤卓史です。

先日はオケとの共演での協奏曲だったのですが、今回は神尾真由子の演奏だけを堪能しました。いやぁ、びっくりです。感動が後をひきました。

席は後ろから4番目くらいで、ステージにはほど遠い場所でした。ホールを見ると至る所に音響効果を考え抜いたしかけがありそうです。

演奏曲目は以下

ブラームス:スケルツォ(F.A.E.ソナタ)
サン=サーンス:ヴァイオリン・ソナタ第1番ニ短調Op.75
ブゾーニ:ヴァイオリン・ソナタ第2番ホ短調Op.36a
ワックスマン:カルメン幻想曲

まずブラームスのスケルツォが始まり、その音響が気になります。残響効果なども考えてあるのでしょう。後ろの、しかも右側にいるといろんな場所から音が飛び込んできます。ピアノのようなシャープな音の立ち上がりの楽器はいいのでしょうけれど、弦楽器にはちょっと厳しい。「遠くで鳴っているぼやけた感じ」で聞こえてきてしまいます。

しかしそれもつかの間、サン=サーンスに入るとそんなことはお構いなしに神尾ワールドにどっぷりと浸かることになってしまったのです。

彼女の特徴はそのダイナミックさにあると思います。高音はシャープに透明に、低音はチェロのように太く響かせて。それを自由自在に扱い、存在感はまるで大御所。

ブゾーニなんて聞いたことがないヴァイオイリン・ソナタ。30分の演奏とプログラムに書いてあります。途中で飽きないかな....と思っていたら、なんとあっという間に終わってしまった。それだけ演奏に凄みがあり、聞いている側も集中しているのです。

そしてカルメン幻想曲。CDに入れただけあり、完全に自分のものとして弾きこなしている。縦横無尽に動く楽器と弓。その動きがしなやかで、聴くだけでなく見る側としても吸い寄せられます。そして音がもつ粘着性。吸い寄せられる、と書きましたが、感性としてはこちらが「張り付いてしまう」。

Classic004

アンコールは予想通りのパガニーニのカプリス。絶対、と信じていたらその通りに。すさまじいばかりの情熱。ちょっと早すぎて雑な部分もあったと思うけど、このパワーなら許す。

そして終わってから聴いていた私が感じた心地好い達成感と倦怠感。

まるで気に入った異性と食事で会話が盛り上がり、そして駅で別れた後に残るその満たされた、でもまだ一緒にいたいという気持ち。わかりますか?

すでに円熟味はあるものの、また男女の「性」を超えた部分が強みながら、女性の艶やかさが出てきたら彼女ははとんでもない演奏家になりますね。

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コメント

ハーゲン以来ご無沙汰していましたが、また神尾真由子で来ています。

今回、彼女の生演奏を初めて聴きました。

ブラームスから圧倒されました。
格闘技(?)という表現はおかしいですが、なにかそんな感じで音楽と対峙している、という印象を受けました。
若くて、ピチピチしていて、まさに、旬という感じ。

始まってからずっと、圧倒され息をのんで聴いていましたが
2曲目のアンコールでやっと、身体が弛緩され、涙が出そうになりました。

投稿: れい | 2009年7月 2日 (木) 00:01

私もそうです。
ちなみに当日はクラッシックギターで1位になった岡本君と一緒に行きました。
彼は演奏が終わったときに感動で立ち上がれないほどでした。
帰りの電車の中でも凄い凄いの連発で、やはり後をひくコンサートだったと思います。

投稿: ブーレ | 2009年7月 2日 (木) 08:02

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