デザイン思考の道具箱
奥出直人 著
以前紹介した「フェラーリと鉄瓶」「知識デザイン企業」での考え方と同じ。デザインがイノベーションを起こし、顧客を惹きつける。
細かい管理をするシックスシグマの限界。企業の利益率を「管理」することで向上させることはもはや当たり前で、出来るところまで達してしまった感がある。
「創造性を重視する体質へと企業は変わっていかなければならない」のだ。
「創造価値マーケティング」という言葉がある。企業は商品開発をし、あるいはサービスを考え、それを顧客に「売」って利益をあげている。それは企業の基本だ。しかし「売れるもの(サービス)」を作って売る、という発想から、顧客がその製品(サービス)により、良い経験をすることを目的にマーケティングをする、という考え方の違いがある。
あのシックスシグマを生み出したGEもその経営スタイルに限界を感じ、新CEOのイメルトは新たな手法「CENCOR」を作りだし実践することにより売り上げを更に伸ばしている。
CENCORはつまりCalibrate, Explore, Create, Organize and Realize。CENCORでは①市場観察、②仮説構築、③デザイン、④市場での検証、というステップで商品を開発する。そのためには組織の壁を低くして、創造的な組織を構築してマネジメントを行っている。
私はWEB進化論や先にあげたいくつかの書籍、そしてシリコンバレーを訪問していて、これまでのコンサルティングの終焉、をなんとなく感じていた。企業の利益を最大にするために効率化し、マーケットをセグメント化し、IT化し、顧客を管理することは重要な事だ。もちろんそれらに課題がある企業にはコンサルティングは必要かもしれない。
しかしそこには創造性がない。この厳しい時代に生き残りを賭けて企業がチャレンジしなくてはならないのは創造力を発揮して、市場にこれまでにない新しい発想の製品やサービスにより高い付加価値を提供して、高い利益を確保していくことではないか。
そして従来のコンサルティングとは全く違う発想の「IDEO社」のようなコンサルティングが活躍する時代に入りつつあることを実感する。
本書ではプロセス化しにくい「創造」をプロセス化するという試みを提示している。重要なことはフィールド観察と仮説検証だ。
そして重要なのが研究、開発、マーケティングのコラボレーションだ。
課題もある。それは①企業がデザイン価値に変革することの意味が理解出来るか、②デザイン価値を提供できる人材の育成 など。
しかし現実にそれを実践して収益を伸ばしてい企業は世界に確実に存在する。言い尽くされているかもしれないがP&GやGE、それに小さなベンチャー企業達。企業は変革して生き延びるのか、あたらしいチャレンジャーに取って代わられるのか...
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