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2008年5月15日 (木)

サンフランシスコ出張で思うこと

月曜日の夕方からレジスタレーションで、火曜日と水曜日に会社の大きなイベントがあります。シスコは8月から新年度で、いつもこの時期にStrategic Leaders Offsiteと銘打ってディレクタ以上の役職の人間を全て集めて来年度の戦略について発表をしていきます。その内容をここには詳細には書けませんが、帰国後お知らせが出来るものは載せるかもしれません...

シスコシステムズという会社にいて驚かされる、というか安心できることがあります。それは日本では決して感じることが出来ないのですが、アメリカ社会においては「守られている」という感覚です。この会社は従業員を大切にするカルチャーがあります。CEOの意識かもしれません。もちろん異論はあるかもしれませんが。

ただ言えることは、以前のドットコムブーム時とは違っている、ということです。もうければ何でも良い、といった成長時代は終わり、経済が低成長でも成長するための戦略が必要です。そのためには優秀な従業員がいかに働きやすいか、ということがポイントになるわけです。

前の会社もアメリカの会社でした。世界一巨大なコンサルティング会社になってしまいましたが、アクセンチュアは良くも悪くも東海岸の会社でした。シスコは西海岸にあって、大企業の良さもあわせたまた違ったカルチャーなのです。

守られている、というのはたとえばアメリカ人が世界で守られている(軍事的にも)というものととても似ています。とにかくアメリカに入国をすると、シスコの従業員であることにより社会から認められている、という感覚があるのです。

まず入国審査ですが、だいたい「何日?なんの仕事に来たの?」といろいろ聞かれるわけですが、普通「カンファレンスに出ます」「なんの?」「ITの展示会があって」「会社は?」「XXX」「あなたのポジションは?」と矢継ぎ早に聞かれます。一時は面倒くさいので「観光です」と言っていたぐらいです。でも今は「シスコシステムズに勤めていて、今回は社内会議です。」というと、審査官は「あぁ、シスコね。」と言ってもう質問はせずに通してくれます。たまに「名刺見せて」と頼まれることはありますが、だいたいフリーパスです。

次にHertzレンタカーを借りてサンノゼまで移動することが多いのですが、従業員は新入社員も含めてすべてHertzの「No1クラブ」メンバーになれます。このプレミアムなメンバーはレンタカーを定期的にきちんと借りてないとなれないのですが、従業員は誰でも自動的にメンバーにしてもらえます。その恩恵は、手続き無用なところにあるのです。車を置いてあるガレージに行くと、No1クラブメンバーのみはパネルに名前と車の駐車場番号が出いていて、そのまま車に乗るだけ。面倒な手続きは一切ありません。(もちろんガレージから出るときに免許証の提示を求められますが。)

ホテルは全世界にコーポーレートディスカウント、というものがあり、通常宿泊よりもかなり低いレートで宿泊が出来ます。出張中に何か問題が起こったらコンタクトすべき電話番号が知らされており、世界中どこからでも支援を頼めます。

以上はアメリカの大企業ではよくあることかもしれませんが、まだ2社目なので比較はあまり出来ませんが....。もちろん日本の比較的歴史のある大企業に勤めていると、同じような「守られている」感覚は日本であると思います。とにかくアメリカにいる限り、外国人である、という心配を一切しなくても良いのはとても安心感があるのです。

従業員を大切にしよう、という感覚はコンサルティング会社よりはとても高く感じます。これは製造業特有なものなのかもしれませんが。アクセンチュアという会社は「人を伸ばす」会社でした。そのためとても厳しいトレーニングやプレッシャーがかかります。「Up or Out」という有名な言葉がありますが、昇進できないなら辞めなさい、という意味です。アメリカの会社なのでシスコも多少はありますが、従業員への「優しさ」がもっとあると感じます。

世界中から優秀なエンジニアやセールスマンを雇用する競争をしているわけなので、待遇面でかなりしっかりしていなければならない事情があるのでしょうけれど。

さて後でも少しありますが、ワイナリー巡りをしたり、レストランで従業員と話をしたり、ジャズクラブで相席になったりしたときに「どこに勤めているの?」と聞かれ「シスコ」と答えると「俺は株主だよ」とか「以前自分もいたことがあるよ」とか「たくさんお客さん来るわよ」と言われることがよくあります。あるワイナリーでは「XXXX(うちの経営幹部)はしょっちゅう来てくれる大事なお客様ですよ」と言われたこともありました。もちろん待遇が良くなったことは言うまでもありません。

アメリカのB2B企業(企業向けビジネス)で誰でも名前を知っているIT企業はシスコとオラクルぐらいのものではないでしょうか。もちろんこれも異論はあると思いますが....。IBMやHPは消費者向けの製品があるのでもちろん知られています。アップルは消費者向けだけですよね。

日本ではたった1000人足らずの中小企業ですが、今や世界では6万人の大企業になってしまいました。こんかい発表されたのですが、インドではとてつもない計画がなされています。話は飛びますが、世界は本当に動いていますよ。海外にいろいろ話を聞いていると、日本は「止まってしまった」かに見えてしまいます。もっと規制緩和して、英語を勉強して、世界で戦わないと日本がどんどん(相対的に)小さくなっていくのは避けられないと、私だけでなく誰しも思っているのではないでしょうか。

政治と教育に期待しますが.....どうでしょう。

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コメント

出張でも「仕事だ」と言うと色々聞かれて面倒なので「観光」と答えていました。まあ、英語力の問題もあったんですけど。あるとき1ヶ月の出張なのに「観光」と言ってしまい、「お前の会社は何の会社だ?一ヶ月も休んで問題ないのか?」と返って大変になってしまったことがありました(笑)

投稿: ミヤパパ | 2008年5月15日 (木) 08:58

先日はありがとうございました。
シスコを離れ別の西海岸企業に来て感じますのは、
かの地の人達にとってシスコは宝物のような奇跡の存在なのかなということです。
暖かい視線を感じるというのでしょうか。
日本の企業にいて感じる安定感とは異なる清々しさか。。

投稿: KY | 2008年5月15日 (木) 20:27

ミヤパパさん、「観光」は1週間程度ですかね(笑)

KYさん、たぶんシリコンバレーを元気にして雇用を創造した企業として市民に歓迎されているのでしょうね。

投稿: ブーレ | 2008年5月19日 (月) 09:18

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