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2009/05/11

グランズウェル

Book072

シャーリン・リー、ジョッシュ・バーノフ 著

ブーレポイント:37

「Granswell」とは「大きなうねり」という意味だ。本書はソーシャルネットワーキングが企業や社会に与えるインパクトの大きさについて描かれているが、「ソーシャルネットワーキング」という題名にはなっていない。(副題には「ソーシャルテクノロジー」という言葉が使われている。)

しかしソーシャルネットワーキングは間違いなく社会生活で大きなうねりを巻き起こすだろう。事例が豊富なのが本書の特徴でもある。一つひとつの成功事例は読者をに、このうねりに巻き込まれるのではなく、起こす側に立つ勇気を奮い起こさせる。失敗事例ももちろんある。多くの失敗は「強制」によるものだ。

内容が豊富なのでブログでは書ききれないが、ポイントを絞ってみる。

1章:グランズウェルは社会現象だ。WEB2.0のテクノロジーによって消費者は学び発信をしている。企業は恐れずこれを利用しよう。

2章:グランズウェルでは関係が全てだ。人と人をつなぐテクノロジーによって実現される。ブログやWikiやソーシャルネットワークなど。

3章:人には嗜好がある。ある程度のグループでターゲットとして分析し、そのセグメントに合った戦略を立案しよう。(たとえば富士通のPC所有者とNECのPC所有者は違うプロフィールを持つ、という話は興味深い。)

4章:4つのプロセスと5つの目的
4つのプロセス(POST) 人間(People)、目的(Objective)、戦略(Strategy)、テクノロジー(Technology)
5つの目的 ①耳を傾ける ②話をする ③活気づける ④支援する ⑤統合する

5章:顧客の声や嗜好に耳を傾けて得られた情報から戦略を練る

6章:最も充実した章の一つ。時間がなければ本章だけを読むと良い。
企業の考えやメッセージを顧客が受け入れる手法で訴えよう。ソーシャルテクノロジーではマーケターの一方的なメッセージを発信する方法が通用しない。口コミで消費者が学ぶのだ。これでブレンドテックは売り上げを20%伸ばした。
手法は①ビデオの投稿、②SNS、③ブロゴスフィア(ブログ)、④コミュニティーだ。それぞれに事例が説明されている。
この章ではROIが試算されてるのが興味深い。

7章:コミュニティーを活気づけるためにレゴがレゴアンバサダーを作ってネット上で活躍させた。コミュニティーが活気づけば自然と売り上げも伸びる。企業は顧客の求めている事に耳を傾け、それを提供しなくてはならない。

8章:消費者の助け合いを行うことで、消費者の問題解決を提供する。たとえばインチュイット(税金申告ソフト)はソフトウェアの説明ではなく、税情報に関するWikiを作った。

9章:セールスフォースドットコム(SFDC)が製品バージョンアップを行う際に見つけた手法で、新たな製品を開発した。これはまさにオープンイノベーションの手法であり、B2B企業でもその実現が可能であることの証だ。
小売業では「ネット+店舗」というビジネスモデルから脱却して「ネット->店舗」という流れを作ると新たな成功があるかもしれない。たしかにスーパーに行っても顧客の意見を受け止める手法は成功しているとは言い難い。

10章:変革を起こすためには「顧客指向」の徹底と部門横断的な組織が必要だ。

11章:社内活用も成功例がたくさんある。アベニューAレーザーフィッシュ(現レーザーフィッシュ)のWikiサイトやベストバイの販売員のサイトがそうだ。しかしこれには経営陣の理解と参加が必須である。

12章:未来のビジネスの姿を仮説ベースの物語にしている。まさにそこにある未来だ。

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イノベーション」カテゴリの記事

コメント

私もこれ読みました。ユーザのパワーは間違いなく従来に増して強力になっていると思います。
この記事にリンクを貼らせていただきました。
http://japan.cnet.com/blog/denkiami/2009/12/13/entry_27035804/

投稿: 鍛冶哲也 | 2009/12/19 19時18分

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